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第75回 ストーマ周囲と腹部の保湿方法

2024/01/31

 立春とは名のみの寒さではございますが、皆様お変わりございませんか。
空気が乾燥するこの季節、乾燥肌でお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、第75回コンバテック®me+®クラブ通信では、『ストーマ周囲と腹部の保湿方法』についてお伝えします。

「第70回ストーマ装具交換時の洗浄」でもお伝えしましたように、ストーマ周囲皮膚を健康に保つためには、予防するためのスキンケアが重要です。予防的スキンケアとは、皮膚を清浄し、清潔を保つこと、皮膚の保湿を行うこと、皮膚のバリア機能を維持し保護することである¹)と言われています。皮膚洗浄の際は、弱酸性洗浄剤の泡で擦らないように洗うことが必要です。そして、洗浄後は、十分に保湿をすることが大切です。 

<ドライスキン(乾燥肌)とは>
 皮膚の表面は、角質層にある皮脂やセラミド(細胞間脂質)などの保湿成分により、バリア機能を維持し保護されています。体質や加齢、環境要因のために、この保湿成分が減少すると皮膚は乾燥しやすくなります。角質層の水分が10%以下になった状態をドライスキンと言い¹)、アレルゲンや微生物が侵入しやすくなり、少しの刺激に敏感に反応し、かゆみなどが起こりやすい状態になってしまいます。

<ストーマ周囲の洗浄方法>
 
 ストーマ装具交換時の洗浄方法については、こちらをご覧ください。

 <ストーマ周囲皮膚の保湿方法>
 
 1)保湿剤の剤型種類:保湿剤をストーマ周囲皮膚に使用する際、ワセリンやオイルなどを含む油性の軟膏では、ストーマ装具を貼付することが難しく不向きだと言えます。べたつきが少なく、保湿効果が高い、ローション(液剤)を塗布し、数分乾かし、キッチンペーパーなどで余分な成分を拭き取った後に、ストーマ装具を貼付するなどの工夫が必要になります。

 

2)保湿剤の使い方:ストーマ周囲皮膚に保湿剤を塗るタイミングは、ストーマ装具交換の時しかありません。強い力ですり込むように塗ると皮膚を傷つけてしまいますので、保湿剤を塗るときは、やさしく伸ばすようにしてください。症状が変わらないからといって、数回で保湿剤の使用をやめてしまわないよう、少なくとも乾燥する時期は塗り続けましょう。また、入浴後は皮膚に水分が浸透しやすい状態になっていますので、なるべく早めに保湿することを心がけましょう。

3)保湿剤の適量²)

①軟膏やクリームの場合:大人の人差し指から第1関節に薬をのせた量を1FTU(約0.5g)※¹)とします。1FTUで大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。ただし、軟膏やクリームはストーマ装具の粘着が弱くなるため、医師の指示がない限り、装具貼付部への使用は避けましょう。

②ローションの場合1円玉大が1FTU(約0.5g)に相当し、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。ストーマ周囲を含めた腹部の範囲には、保湿ローション1円玉大の量を塗ると良いでしょう。

4)ステロイド外用剤と併用する場合:皮膚の炎症を伴う際には、ステロイド外用剤で治療する場合もあります。保湿剤と併用する際には、はじめに保湿剤を広く塗り、後からステロイド外用剤を患部だけに塗ることで、正常な皮膚にステロイド外用剤を塗ってしまうことを防止できます。ストーマ周囲の皮膚トラブルを治すためには、その原因を突き止めることが先決です。ストーマ外来では、皮膚トラブルの原因を見極め、診断や治療に導くこと、どのくらいの頻度で治療を行うかを医師と検討し、ケア方法を提案しています。

※ステロイド外用剤は、ストーマ外来や皮膚科医師による指示の元に使用することをお勧めいたします。

👆ポイント】皮膚科を受診する際は、ストーマ装具貼付面に使用したい旨を伝えてください。皮膚科では、患部を直接診察していただけるスペースがない場合もありますので、患部が鮮明にわかる写真を持参すると良い場合もあります。処方薬については、可能であればローションタイプを依頼すると良いでしょう。症状が強く軟膏での処置が必要な際は、ストーマ外来を受診し、使用方法を確認すると良いでしょう。

 

スキンケアの原則である『洗浄』、『保湿』について見直し、かゆみや皮膚トラブルのない健康な皮膚を目指してみてはいかがでしょうか。また、保湿剤やステロイド外用剤を使用しても症状が改善しない場合は、早めに皮膚科などの専門外来に再度受診しましょう。

現在、ストーマ装具貼付により皮膚トラブルを経験している方がいらっしゃいましたら、お悩み相談をご利用ください。弊社の皮膚・排泄ケア認定看護師が、皆様のお悩み解決の糸口をご提案します。お悩み相談- ConvaTec-club.jp

参考文献
1)積美保子.“皮膚の解剖生理とスキンケア”.ストーマケア-基礎と実際(第3版).ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.東京,金原出版,2016,p29-32.
2)小林直美.“乾燥(ドライスキン)”.スキンケアガイドブック(第1版第2刷).一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会編.東京,照林社出版,2018,p29.

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